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「タバコが好きです」がとんでもない意味に。アメリカ英語とイギリス英語で同音異義語のスラング"fag"



当ブログでも既に紹介しているように'fag'というスラングは、アメリカ英語では「同性愛者(ゲイ)」、イギリス英語では「煙草」と、全く異なる意味を持っている危険?な同音異義語。

今回は、違う英語圏で使い方を間違えると齟齬が生じて危ないという良い例を見せてくれる動画をYouTubeで発見したのでご紹介致します。

あらまし:Nilesという名のイギリス人の男性がアメリカに到着、ツアーガイドのBobに会うところから話は始まります。「イギリスからのフライトはどうでしたか?」とBobが尋ねるが、この"fag"というスラングの持つ意味の違いから、会話のすれ違いが段々と大きいものに…。

改めて、fagというスラングが米語では「同性愛者」、イギリス英語では「タバコ」を意味する事を頭に置きながらご覧下さい。

以下にスクリプトを掲載。「米訳」としている文の日本語訳は、アメリカ人のボブにどう間違って伝わっているか(聞こえているか)という翻訳をし、「英訳」はイギリス人のナイルズの意味するところとしました。特に「訳」としか書かれていない場合は、両者の間に齟齬が生じていない文となります。

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B:Hello, Niles. Welcome to the United States. My name is Bob and I'll be your tour guide.
訳:ようこそ、アメリカへ。私はボブと申しまして、ツアーガイドを務めさせて頂きます。

N:Thank you, Bob. This is my first time in the States and I'm very excited.
訳:有り難う、ボブ。アメリカは初めてでね、ワクワクしてるよ。

B:Excellent. How was your flight?
訳:良いですね。フライトはいかがでしたか?

N:I was on the plane for 12 hours and all that running through my mind is having a fag.
米訳:12時間も飛行機に乗り通しでね。ゲイの事しか考えられなかったよ。
英訳:12時間も飛行機に乗り通しでね。頭に浮かんでくるのはタバコの事ばっかり。

B:(pause)...Well, ok anyway, there're many sites to see. Where would you like to go first?
訳:(沈黙)…分かりました。とにかく、見所は沢山ありますよ。どこに最初に行きたいですか?

N:My first priority is to go get some fags.
米訳: 優先順位としては、まずはゲイの野郎どもをひっかける事かな。
英訳:優先順位としては、まずタバコだな。

B:Niles, we don't use that word anymore. It's politically incorrect.
訳:我々はもうその言葉を使っていないんです。ポリティカリー・コレクト(※)じゃないですから。
※人種や性差別などの偏見が表現に含まれていない事。

N:...I don't care what's correct n' what's incorrect to say. I've called them fag since childhood and I'm gonna call them fags until the day I die.
米訳:何を言っていいか何を言っちゃいけないかなんて関係ねぇ。ガキの頃から使ってる単語なんだ。死ぬまで俺はゲイの連中をファグと呼ぶぞ。
英訳:何を言っていいか何を言っちゃいけないかなんて関係ねぇ。死ぬまで俺はタバコをファグと呼ぶぞ。

B:Fine then. Just please don't use that word in public.
訳:分かりました。ただ公共の場ではその単語を使わないで下さい。

N:Why? Bob, don't you like fags?
米訳:何故だ?お前はゲイが好きじゃないのか。
英訳:何故だ?お前はタバコが好きじゃないのか。

B:I don't know any, personally, but I'm just as open-minded as the next guy.
米訳:個人的には誰も知りませんからね。ただ、一般の人と同じくらいは同性愛者の方々に対しての理解は持っています。
英訳:個人的には誰も知りませんからね。ただ、一般の人と同じくらいはタバコに対しての理解は持っています。
*next guy=普通の人、平均的な人

N:Then it's about time you hit one. Let's go to the store and pick up a pack of fags. 
米訳:じゃあ、一発どうだ?そこの店に行ってゲイを大勢ひっかけてこようぜ。
英訳:じゃあ一服どうだ?そこの店でタバコを一箱買ってこようぜ。

B:I'm sorry sir, but I'm a happily married man. My wife and I have been married for 15 years.
訳:御免なさい。でも私は結婚生活に満足していまして、妻とはもう15年になるんです。

N:I bet your wife would like some fags too. Let's pick up a pack of fags for her, also.
米訳:あんたの嫁さんもゲイは好きだと思うぞ。彼女にも連中を連れて帰ってやろう。
英訳:あんたの嫁さんもタバコは喜ぶと思うぞ。タバコを買っていってやろうぜ。

B:Niles, I'm happy to be your tour guide during your stay here in America, but I'm not going to follow your fag quest.
米訳:ナイルズさん、私は貴方のアメリカ滞在中ツアーガイドとして務めたいと思いますよ。でも貴方の「ゲイ」探しには付き合えませんよ。
英訳:ナイルズさん、私は貴方のアメリカ滞在中ツアーガイドとして務めたいと思いますよ。でも貴方の「タバコ」探しには付き合えませんよ。

N:Don' be so gay, Bob. Just try one. You'll like it.
米訳:そう"ゲイ"になるなよ、ボブ。一回ヤッてみろよ。気に入るぜ。
英訳:そう"ゲイ"になるなよ、ボブ。一本吸ってみろよ。気に入るぜ。

B:No thank you.
訳:いいえ、結構です。

N:You don't know what you're missing.
訳:お前は自分に何が必要か分かってないんだ。

B:Ignorance is bliss.
訳:「知らぬが仏」ですよ。

N:There's nothing like the smooth taste to a fag in your mouth.
米訳:口の中に広がるゲイのチ○コの風味ほど良いものは無いぜ。
英訳:口の中に広がるタバコの風味ほど良いものは無いぜ。

B:I didn't need the visual in my head.
例:想像したくもないですよ。

N: Once you put the first fags between your lips, you'll know you've found ecstasy.
米訳:一回しゃぶるとよ、エクスタシーを感じたってわかっちまうんだよな。
英訳:一本吸うとよ、エクスタシーを感じたってわかっちまうんだよな。

B:This is not a conversation I want to engage in. I you don't change the subject, then I'll resign as your tour guide.
訳: このような会話はしたくありません。貴方がもしトピックを変えないのであれば、ツアーガイドを辞めさせて頂きますよ。

N:There's nothing wrong with it. I suck on fags everyday.
米訳:ゲイと寝る事の何が悪いってんだ。こっちは毎日しゃぶってやってるんだぞ。
英訳:喫煙の何が悪いってんだ。こっちは毎日タバコを吸っているんだぞ。

B:Nails, get yourself another tour guide.
訳ナイルズさん、別のツアーガイドを見つけて下さい。

N:Very well then, You homo. I will find me a pack of fags myself. I will suck on each one without you.
米訳:わかったよ、この"ホモ"野郎が。自分でゲイを見つけて、おめーなんかいなくともゲイ野郎のチ○ポを一本一本しゃぶってやらぁ。
英訳:ああいいさ。このホモ野郎が。お前なんか必要ねぇ。自分でタバコ買って吸ってやらぁ。

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タバコを吸おうとしないボブに対するナイルズの最後の捨て台詞、"You homo"が秀逸。アメリカ人のボブは「そりゃおめーだよ」と心の中で呟いている事だろう。

とまあ、このように、俗語というのは気をつけて使わないと危ないというのがよく分かりますね。両国で「タバコ」と通じる単語としてはcigarette, cig, smokeあたりだろうか。これらの単語を使うのが無難と言えます。fagなんて使っていると、シチュエーションによっては、貴方が「ゲイ」を意味していると相手に取られてしまう可能性もありますよ…。
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No offence is intended to those who practice homosexuality. 同性愛者の方への侮辱を目的としたエントリーではありません。